Re: こないだ (-)

気象由来の雲か、地震前兆由来の雲か、の判定基準は未だ明らかではありませんが、少なくとも言えることは一つだけあります。

地震雲に関する定説は皆無であり、現時点でネットや書籍で紹介されている分類方法は、今後のより詳細な調査研究を必要とする仮説のひとつ、というのが実態です。

一方、気象由来の雲は100年以上の歴史を持つ世界気象機関によって、10種雲形という分類方法(*)がきっちり定義されています。

地震雲か気象要因の雲かの区別は「普段と明らかに違う」といった個人的な経験や主観に基づく相対的な判断基準ではなく、

・10種雲形のどれにもあてはまらない
・気象要因とすれば発生の説明がつかない
・地震前兆とすれば発生の説明がつきうる

といった、客観的な判断基準に基づくべきではないでしょうか。

小難しい理想論はさておくとして、我々民間のシロートでもできることは「普段と明らかに違う」という時の「普段」に対する感性を高めることではないでしょうか。

失礼ながら、この「普段」自体がおぼつかない「にわか地震雲ウォッチャー」さん達が多いことが、今回のようなイザコザが何度も繰り返される原因の一つです。

まずは、以下URLの雲の図鑑をざっと眺めて、気象要因で発生する雲はどんな表情をしているか（不気味な物も含めて）、を知ることから始めるのはいかがでしょうか。

http:www.ishikawa-c.ed.jp/rika/kiyou/kiyou31/kiyou31_11.pdf

http:www.ishikawa-c.ed.jp/rika/kiyou/kiyou31/kiyou31_12.pdf

http:www.ishikawa-c.ed.jp/rika/kiyou/kiyou31/kiyou31_13.pdf

http:matome.naver.jp/odai/2128192920770359001

http:wapichan.sakura.ne.jp/cloud-museum-find1.html

長くなりましたが、最後にもう一つだけ。

怪しい雲が出ようが出まいが、それとはお構いなしに、地震は勝手に発生するものです。怪しい雲と地震の間を、発生タイミングだけを根拠にヒモヅケてしまう考え方はいかがなものでしょうか。

今のような余震活動の活発な時期にこの程度のヒモヅケを検証と呼んで良いのなら「どんな形の雲を地震雲と呼んでも全て的中」という意味のない結果しか出てこないと思います。

（関心のある方は、お手数ですが地震フォーラムの「防災フォーラム」に私が書き込んだNo. 752「寓話その２「えん罪」」と併せてご覧頂けるとありがたいです）

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(*)世界気象機関発行の「国際雲図帳」では雲をその大まかな形から10の「類」に分類しており、これを10種雲形（10種雲級）と呼びます。

10の「類」は、形の特徴や雲塊の組成などからさらに「種」に分類されます。また、雲塊の配列、雲の透明度からは、「変種」に細分類されます。